ピュアブラン開発ストーリー 第三話:ピュアブランの誕生

自ら洋菓子を学ぶ

'06年半ば。上杉は製菓学校に通い始めた。また毎週末、小さな個店から大型店に至るまで様々な洋菓子店をまわり、ひたすらケーキを食べ続けるようになった。製菓学校ではシフォンケーキ、タルト、ムース、マカロンなどの作り方を学び、自宅でも実践した。この頃彼が口にしていた印象的な言葉がある。
「お菓子作りは理科だ」・・・
1年以上の研究期間を費やし一定の評価を獲得したものの、それをどう活かしていくのか。それが分からないことにはピュアブランは売れない。そこまで見越した上杉であったが、その行動は既に仕事の枠を越え、情熱が支えていると言っても過言ではなかった。

新しい価値観創造への期待

'07年に入り製菓学校での一年が終わると、実体験で得た情報を元に生産設備の具体的な検討が始まった。その間も上杉は自宅での製菓実習や味覚の微調整を怠らず、自分自身の、そしてサツラクの自信を深めていった。
「これは凄い。間違いなく北海道発の新しい食材になり得る。」
サツラク内部でそんな声が明確に聞こえ始めたのは ’07年の暮れ。そして、その流れはマスコミ各社へのプレスリリースへとつながっていく。

サツラク農業協同組合の決断

試作品の完成により、サツラクの組織内がにわかに騒がしくなった。濃縮機の設備導入には多額の投資が伴うため、組合が大きな投資を行うには多くのハードルを越える必要がある。サツラクの理事達が具体的な内容を検討する「市乳委員会」で代表理事の藤本組合長は覚悟を決めた。その後、各地区の代表が集まる理事会を経て、総会での承認を得なければならなかった。理事達自身もそれぞれが酪農家であり、牛乳の消費低迷に危機感を持ち、慎重に審議を重ね、この新しい事業に大きな「挑戦」をすることに賛同した。

ピュアブラン誕生

'08年8月。生産設備が完成し、上杉はプラントの中にいた。
「では動かしますよ」。
濃縮機の中を初めてヨーグルトが通った瞬間を未だに忘れることができないと彼は言う。その場を見守っていた課長の堀も、無邪気にはしゃぐ上杉を親のような気持ちで見つめていた。
設備稼働実験の成功を受け、サツラク内部ではネーミングに関する会議が招集された。様々な意見が出されたが、北海道産の生乳とグラニュー糖だけで作られたヨーグルトを原材料とし、添加物を一切含まない新しい乳製品であることから「ピュアブラン」に決定した。
※英語のPure(純粋の)とフランス語のBlanc(白)から生み出した商品名です。

加速するプロモーション活動

サツラクではピュアブランをより多くの人に知らしめ、利用価値を高めるために、製品特徴をわかりやすくまとめたパンフレットの制作や、栄養成分比較表やピュアブランを使用した洋菓子のオリジナルレシピなどの販促資料制作に着手。'09年に入ってからはWEBサイトでの公開をはじめ、ミルクの郷牛乳工場に隣接する「サッポロさとらんど」売店においてソフトクリームをテスト販売するなど本格的なプロモーションをスタートさせた。
'09年4月には東京で開催された「第6回デザート・スイーツ&ドリンク展」に出展し、全国の菓子店のパティシエや食材業者、及び食品開発担当者からの高い評価を得ることができた。

これから始まるピュアブランの歴史

現在、ピュアブランは、そのものを直接エンドユーザーが食べることがない。あくまでも業務用食材として洋菓子店を中心に使用されているものだが、近い将来「ピュアブラン使用」というだけで話題になるかもしれない。
「サツラクさん、面白いものを作ったね。」「この不況時代に明るいニュースだね。」
色々な人が温かい言葉をかけてくれる。しかし、ピュアブランはスタートしたばかり。新開発の商材を生み出すという意味で上杉の仕事は終わったが、ピュアブランを如何に市場へ流通させるかという課題は、サツラク営業担当の手に委ねられた。その動向を見守りつつ、上杉には「ピュアブランを超える商品を新たに作り出す」という新たな仕事が待っている。

お問い合わせ

サツラク農業協同組合 市乳事業部

〒007-8511
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市乳事業部代表
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